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UMLモデリング入門 

UMLモデリング入門 本質をとらえるシステム思考とモデリング心理学
児玉 公信
4822283585

この本のタイトルは「UMLモデリング入門」となっていますが、サブタイトルは「本質をとらえるシステム思考とモデリング心理学」となっています。UMLの文法入門にはふさわしくないサブタイトルの通り、UMLの文法を習う本ではありません。UMLの文法を通してモデリングを考える本です。

 

この本の各節にはポイントとなる箇所にピンで留められた印の付いています。そのポイントの多くが「~と呼ぶ」や「~という」といった形式になっています。そして各所に演習問題が配置されており、これはまさに理系の教科書の形式ですね。

 

日本語を単に話すことができるということと、自分が伝えたいことや理解していることを表現できるということの違いは最近の本の売れ筋を見ていても多くの人が感じていることだと思います。この本は単にUMLが読み書きできるということから次のレベルへ向かう際の方法論を支えるであろう文法が持つ意味を習う教科書といえるでしょう。

 

例えばUMLには関連という表現があります。集約でもなくコンポジションでもなく関連という形で表現する意味はどこにあるのでしょうか。3つのクラスがどのような関連パターンにあるときそこにはどのような意味があるのでしょうか。モデリングという表現による分析結果がもたらす保障と制約は何であるかを分析者とそれを受け取る人の間で共有できることが有益であろうことは容易に想像できます。

 

設計を伴わない単なる「現場合わせ」の繰り返しに過ぎない作業をアジャイルプロセスと勘違いしている、あるいは施主に設計者の責任まで負わせようとするプロセスになっているとしたら、大いに問題です。

 

この本は実践書というよりは理論書です。そのため入門ではありますが理解するのは難しい本です。要求と実装の間に設計が必要とされる蓋然性が高さが開発効率に依存するのであれば、UMLという形で表現できる意味にチャレンジするのはその先にある方法論を宗教から科学に変えてくれると思います。

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成果物と評価 

ソフトウェア開発に携わっていると必ず待ち受けているのが各種のテストです。特に完成度という言葉が使われる業界ではそれを客観化するためにテストやチェックが多くの場合に行われます。



このような評価は主に最終成果物に対して行われます。しかし中間成果物についてはどうでしょうか。言葉で書かれたドキュメントやUMLなどで書かれたなんらかの意味を持つ中間成果物に対する評価はあまり行われていないように思います。



評価が行われていない部分においての成果物はどうしても属人性が高くなります。もちろんオリジナリティ自体が評価されるようなケースにおいて属人性は当然です。しかし論理的な整合性が求められるようなケースにおいて属人性が高いことはリスクを伴います。



モデル駆動型アーキテクチャ(MDA)などという言葉もあります。完成度の高いモデルの方がそうでないモデルよりもよい結果が得られるのだとすれば、作り出されるモデルレベルでの評価は現在どのようになっているのでしょうか。



考えをまとめることを目的とした各種思考ツールについてもアウトプットに対して評価までセットになっているものもあります。作家と編集者の関係においても編集者はおそらく評価の一端を担っていることは容易に想像できます。



テストが行われるためにはテストにかかる費用が利益に対して小さいことが条件になります。特にテストが繰り返し行われるようなケースにおいては方法論が入り込む余地があるケースは意外に多いのではないでしょうか。


90分で学べるSEの思考術 

90分で学べるSEの思考術 (ITプロフェッショナルの基礎知識)
開米 瑞浩
4822282406

私は思考のためのツールにとても興味があります。ですからその手の本を読むことがとても好きです。そのような本の中でも開米氏の書かれる本により共感を感じるのは何故だろうと思っていました。



p.101に以下のような文があります。



「抽象的」な表現は単独ではまったく役に立たない。だが、「具体」が複数あるときには、うまく抽象化できるとそのすべてを一言で集約した強力なメッセージとして機能させられるものだ。


私は抽象的な概念を用いて説明を行う際に理解してもらえるときとそうでないときがあるのを感じていました。上記の文はそれに対するとても重要なヒントだと受け取っています。



p.105では、極端な状況を設定した場合に、



そうすると当然、できない理由がいくつもはっきりしてくるのだが、実は「できない理由がはっきりする」というのは逆に見ると「それを解決できれば、できる」ということも意味しているので、


極論を嫌う人が結構います。正しい方法で運用されさえすれば極論は有用だと考えている私にとって上記の文は自信を与えてくれるものでした。



p.164には以下の様な文があります。



しかし「モデリング手法」を勉強してそれを使おう、という考え方はきれいさっぱり忘れて欲しい。


この文を読んだときに私は蒼天航路28巻、320話「君は君でしかない」での曹操と筍の会話を思い出しました。決してモデリング手法が役に立たないといっているわけではありません。



ある側面に目をつぶることで別な側面がわかりやすくなるのが「手法」の価値なのであり、そのこと自体は欠点でもなんでもない。あくまで使う人間の、運用の問題である。


とあります。この本には多くのの思考のための方法やツールが紹介されています。マインドマップ、抽象化、SCAMPER、飛び石法、ネーミング、ロジックツリー、システム思考、思考展開図、デシジョンテーブル、ワークフロー、ステートチャート、IDEF0、UMLなど、有名なもののはほぼ網羅されているといってよいでしょう。



特定の思考ツールが万能であるかのような表現を行わず、これらのツールはある状況において有効であるという「定石」として扱っている点が私が共感する最大の理由なのだと思います。ただ、90分というのは少々短すぎるかもしれません。(笑)




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