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本を読む本 

本を読む本 (講談社学術文庫)
Mortimer J. Adler Charles Van Doren 外山 滋比古
4061592998

書店では勝間氏推薦の帯が目立っていますが、私は勝間氏の著作を読んだことがなく、「打たれ強くなるための読書術」で紹介されていて気になっていたので購入しました。


この本の背骨となるキーワードは初等読書、点検読書、分析読書、シントピカル読書です。初等読書ではその意味と教育との関係を、点検読書ではその方法とその効能を述べています。


私はこの本の核となるのは3つめの分析読書だと思っています。分析読書では第1に本を分類します。この本で主に対象としているのは教養書であり、今日教書には理論的な本と実践的な本とに分かれるとあります。確かに実態を知ろうとすることと目的を達する方法を知ろうとすることは別の営みですし、そこから使用すべき表現も変わってきます。


第2にアウトラインをつかむとあります。本の分類と合わせてアウトラインをつかむということは本の構造を理解するということです。構造を理解すれば展開がわかります。現状から始めて結論へ導いているのか、主張から始まりその根拠を挙げていきその主張がもたらす意味で締めくくっているのかなどです。


第3に著者が使用している言葉の意味を考えるとあります。同じ言葉でも違う意味として使われることが多くあります。それを見つけることなく正しい理解は困難です。第4に著者が伝えたいことになります。第3では名辞についてであったのに対してここでは命題と論証が対象となります。


ここまできて、名辞の統一性、命題と論証の整合性、展開の妥当性などを踏まえて批評が始まるとあります。これらのことは丁寧に裏返していくとそのまま文章を書くときに意識すべきことになっています。


研究者であればシントピカル読書の方法論も非常に役に立つものでしょう。しかしそうでない人にとってもこの本が価値があるのは今巷に数多くあるThinking系やWriting系の本へのスタート地点があまりにも多く網羅されているということです。


この本の第1版がアメリカで発行されたのは1940年です。半世紀以上もたった今でも専門家でなく普通の人々に直接的な知見を与えてくれる本というのはなかなか出会えないのではないでしょうか。

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オタクで女の子な国のモノづくり 

オタクで女の子な国のモノづくり (講談社BIZ)
川口 盛之助
4062820633

日本はやはりものづくりだ、付加価値の高いものを作る必要がある、などの意見を良く聞きます。しかし中国でもものを作っていますし、韓国メーカーの付加価値を高めようという意識は非常に強いものがあります。流行のテーマに依存せずに他の国ではできない付加価値の高いものづくりをするためにヒントとなる視点が紹介されている本です。


第1章は導入部としては日本発の典型的な商品の例としてトイレ周りの紹介がされています。また道具やマシンに対して単なるツールとしてではなくパートナーとして感じる気質が日本人にはあると思われる例が挙げられています。


第2章は法則と称して10個の視点が述べられています。各法則の説明の概要には

「日本人は~である。~であるから~が生まれた。そこから~という展開ができるかもしれない。」

という形式になるものが多くあります。ツッコミの厳しい人が読めば「~という展開」に対する現実的にどうか、と言われそうなものもあります。この章の主題は法則の紹介ですので注目すべきは「日本人は~である」の部分になるでしょう。この部分については10個の法則すべてとは行かないものの、多くの点について同意できるのではないでしょうか。そしてここで法則と呼ばれているものをどう捉えるかですが、全くの新ジャンルのものを生み出すためのものではなく、モノに盛り込む要素に対する視点であることが重要だと思います。またその視点をどう見るかというメタ視点自体が再帰的に日本人的になっているのがとても面白くかったですね。


第2章は日本人であれば同意できるであろう視点の紹介であったのに対して第3章では俯瞰することで日本と他の国という関係について述べられています。第2章と比べれば刺激的な面白みは欠けるかも知れませんが世界を意識したビジネスであれば戦略を考える際にどうしても必要になってくるのは理解できます。


役に立つことから始まるのではなく好きなものが最初にあることから始まるものづくり。男女問わずどちらかといえばそちらがいいのは共通しているが、その価値をより認める存在としての女性という視点から始めるものづくり。そしてそれらを自然に受け入れることができる日本人の気質。学術として体系をまとめるには困難であるが故にキャッチアップされにくい、つまり強みになるものづくりという視点は軽視すべきではないと思います。


この本のタイトルと装丁は狙っているターゲットをどこと見るかによって効果的であるかどうかが分かれるところだと思いますが、それに抵抗感を感じない方向へ向かうことがこの本が言おうとしていることなのかもしれません。


彼女があのテレビを買ったワケ ―― 男がわからなかった 女が商品を選ぶ本当の理由
木田 理恵
4767806976
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