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議論のルールブック 

議論のルールブック (新潮新書)
岩田 宗之
4106102366

議論というものはもっとしっかりしたものを望ものですが、どうしても漠然としてしまいがちです。そこをクリアにする手がかりとしてとても良い本です。

 

第1章はよく(特にネットで)見かける議論がおかしくなってしまうケースについて書かれています。感情論、インチキ理論、冷笑者、匿名をキーワードにしてそれぞれのケースをいくつかのパターンとしてとらえています。この章を読むときに大切なのは方法論ではなく著者の分析によって提示されたパターンを理解することです。パターンに陥らない方法やパターンから抜け出す方法ではありません。おそらくそんな銀の弾丸はないでしょう。

 

第2章は「そもそも議論とは何か」とあります。この章が一番興味深く読ませてもらいました。議論、客観、一般などあたりまえに使われる言葉を整合性が取れるように定義してみようという試みです。もちろんこの本での定義が一般に通用するかどうかは保障の限りではありません。議論、討論、対話などは私が考えていた定義とは違っているものでした。しかし定義の違い自体はあまり重要ではありません。そう定義することで何か有用なものが導き出されるかが重要なのだと思います。どういう意味でその言葉を使っているのかの表明することをためらうのは議論にとってマイナスです。

 

第3章は発言という行為についての分析です。発言の自由、発言の責任、謝罪、発言の削除などについて書かれています。発言の周辺に存在するメカニズムといってもよいでしょう。そのこと自体はおそらくもっと考える余地があると思います。しかしそこにメカニズムが存在するということを忘れてはならないはずです。

 

この本のすばらしいところは何よりも具体例がとても丁寧なところです。人に自分の考えを伝えるときに具体例を用いることはとても有効なことです。しかし抽象的な問題になればなるほどよい具体例を見つけるのは本当に大変です。この本は方法論を提示しているのではありません。この本で主張されていることに対してアンチテーゼを考えることもできますし、テーゼをもとに方法論を考えることもできます。改めて考えるきっかけとしてとてもよい材料を提示してくれている本です。

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拾った言葉 2008/01/13 

モーニング2008・01・24号のチェザーレから。

そもそも冒険とは達成を前提としそのために万全の策を練ったものであって、その対策を意識しないというのはそれはもう冒険でなく無謀というものですよ

アンジェロからチェザーレへの言葉です。君主にとって大事な考え方というよりは君主に誠実な人間がどのように考えるのかということを表しているように取れました。軍師や参謀、ソフトウェアアーキテクト向けの言葉かもしれません。

 

爆笑問題のニッポンの教養 新年会スペシャルから。

納得したものを人は受け入れる。効率を一ヶ月で考えるか、一年で考えるか、百年で考えるか。どこまでイマンジネーションを時間の軸に広げられるか。

生物と無生物のあいだ」の著者、福岡伸一氏の言葉です。自分のやっていることに迷いが生じたときにニヒリズムや他人から与えられたイデオロギーやすでに存在する価値観にその理由を求めるだけでなく、違う時間軸との因果関係にも自分が納得できる理由が存在しうる気がします。

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