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日本辺境論 

日本辺境論 (新潮新書)
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この本は面白いです。書かれている内容を批評するほどのインテリジェンスは私にはありませんが、肯定的に読んでも否定的に読んでもその切り口は一考の価値があると思います。私が面白いと感じた箇所をいくつか挙げておきます。

 

彼らは例えば「中国近現代史が専門です」とか「30年代のフランス・ファシズムが専門です」というふうにさらっと言います。どうしてそういうスケールを採用したのか、どうしてそう区切ることがそれ以外の区切り方よりも適切であると判断したのか、その理由はふつう説明されません。

 

もし、あるミュージシャンが他のミュージシャンとのコラボレーションの見通しを聞かれて「オリコンチャート2位の音楽家として」コラボレーションしたいと言ったら、、、

 

私たちの時代でも、官僚や政治家や知識人たちの行為はそのつどの「絶対的価値体」との近接度によって制約されています。「何が正しいのか」を論理的に判断することよりも、「誰と親しくすればいいのか」を見極めることに専ら知的資源が供給されるということです。

 

「大東亜戦争」を肯定する、ありとあらゆる論拠が示されるにもかかわらず、強靭な思想性と明確な世界戦略に基づいて私たちは主体的に戦争を選択したと主張する人だけがいない。

 

データ、情報、知識、知恵のフレームワークに照らし合わせればこの本は情報から知識、そして知恵へ向かう途中までが守備範囲でしょう。そのあたりを守備範囲とする本は難しいものが多く、読み続けるモチベーションを維持するのが困難です。本を読む時に付箋を貼る修正のある人なら、きっと付箋だらけになっているのではないでしょうか。


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裸でも生きる 

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
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読んでみてなるほど売れる本だと思いました。事の大小を別にして仕事上で悔しい、嬉しいと思った経験がある人、想像出来る人は普通に共感できます。私も泣きそうになりました。

 

著者はかなりの頑張り屋です。体を壊すほどすぐ頑張ってしまいます。これがフィクションならば伝えるためのデフォルメとして表現されるのでしょう。しかしノンフィクションであるためにこれは伝える力を持ったまま稀少性となります。

 

自分の信念と経済の理屈がコンフリクトを起こすことがあります。その場合、取りうる道は2つしかありません。自分の信念を変えるか、自分の信念を変えなくても良い方法を見つけ出すかです。信念を変えない場合、信念が経済性から遠いところにあればあるほど後者は困難になります。多くの起業家の方との差があるとすればこの信念と経済性との距離でしょう。その距離の遠さが著者の稀少性です。

 

希少なものはそれだけで価値があります。普段仕事に追われていると心のエントロピーが高くなってしまいます。この本はただ希少なだけでなく心のエントロピーをいくらか戻してくれます。それはとても価値あることだと思います。

笑う科学 イグノーベル賞 

笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)
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基本的に好きなネタです(笑)。イグノーベル賞がノーベル賞のパロディだとか裏ノーベル賞といった感じでご存知の方も多いと思います。この本はイグノーベル賞についてもう少し知りたいという人に向けた新書らしい新書です。

 

この本は大きく分けて3つに分かれています。イグノーベル賞の説明、過去に受賞した日本人の紹介、これから受賞しそうなものの紹介となっています。

 

賞の一番の見せ場といえば授賞式です。創設当初はMITで、現在はハーバードで行っているそうです。権威に役割があるとすればそれは既存の形に当てはまっているかどうかを判定することではなく、考慮すべき意味があるかどうかを判断することだと思います。こういう部分についてはアメリカのスタイルというのは素晴らしいと思います。

 

第2部では日本人の受賞したものについて説明されています。NHKでも取り上げられたピカソを識別するハトや牛糞由来バニラなどが紹介されています。第2部以外でも各国の受賞内容がいくつか紹介されています。これらを読んでいると、成果物としてしっかりしているものもありますが、そうでないものもあり、成果物が与える影響よりもそれに取り組んだことに対して与えられていると感じました。

 

賞というからには選考基準があり、この選考基準は賞のコンセプトから生まれます。イグノーベル賞の基本コンセプトは「まず笑わせ、そして考えさせる」です。私はコンセプトは抽象的過ぎず、具体的過ぎず、生み出された対象物を見てまさにその通りだと感じさせるものほど優れていると考えています。その意味で「まず笑わせ、そして考えさせる」というコンセプトは本当に優れているコンセプトではないでしょうか。


デザインのデザイン 

デザインのデザイン
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私は言葉で表すことが難しいことをなんとかして言葉で「普通の人に」伝えようとしている人の試みが好きです。著者の原研哉氏もその一人だと思います。

 

この本はまず著者のデザインとは何かという定義から始まり、実際にデザインされた対象について語り、後半でマーケット、日本、自然といった環境、社会など個別の物体から離れたものについてデザインという切り口から何が見えるのかを伝えようとしています。

 

私は芸術性に対する座標軸の方向は娯楽性だと考えています。作り手と受け手という考え方です。この本では個人に対して社会という形で芸術に対してデザインを位置づけています。この考え方から何が発展していくのかは私にはわかりません。しかし私にとっては新鮮な視点であり、新鮮であるということは可能性を感じさせてくれるものであることは認めざるを得ません。

 

最もダイレクトに実感させてくれるのは第2章のリデザインでしょう。私の好きな建築家である隅研吾氏のゴキブリホイホイを見て「なるほど!」と素直に思いました。デザインがなんらかのメッセージを持つという意味において良い事例がいくつか提示されています。

 

後半で興味を惹かれたのは

ここで言う「センスのよさ」とは、それを持たない商品と比較した場合に、一方が啓発性を持ち他を駆逐していく力のことである。

 

という部分でした。適切な例であるかは自信がありませんが、ゲーム機のコントローラにおいてPlayStation以前と以後では明らかに形が変わっています。携帯音楽プレイヤーにおいて高音質、多機能をもってしてもなかなかiPodの牙城はくずれません。同じ節にもう一つおもしろい指摘があります。

その企業がフランチャイズとしている市場の欲望の水準をいかに高水準に保つかということを同時に意識し、ここに戦略を持たないと、グローバルに見てその企業の商品が優位に展開することはない。

 

これはかなり刺激的な視点です。消費者の欲求を外部パラメータとしてスナップショット的な戦術を練るのではなく、連続的な欲求の高感度化(エデュケーション)を図る戦略が必要だと言っています。自動車やプライベートなサブカルチャー(マンガ、アニメ、ゲーム)、その他日本がリードしている業界を見てみるとこの視点は簡単には否定できません。

 

職種が違えばモノを見る立ち位置が変わります。立ち位置が違うことを言葉で説明するのはとても難しいことです。その立ち位置から見ることが有用であることを理解してもらおうとすればさらに難しくなります。しかしやり方を覚えるだけでよい時代の後は体現出来る人がまず語ることから始まるのではないでしょうか。

プロジェクトホテル 

プロジェクト・ホテル―奇蹟の再生に賭けた男が創るこだわりのリゾートホテル
窪山 哲雄
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不思議とホテル関連の本やマンガには面白いものが結構あります。「帝国ホテル 伝統のおもてなし」や「コンシェルジュ」など私自身、ホテルを良く使うわけでもなく、ホテル関連の仕事をしているわけでもないのに興味深く読ませてもらっています。

 

この本はウィンザーホテル洞爺の窪山哲雄さんが書かれた本です。ウィンザーホテル洞爺というよりも洞爺湖サミットの行われたホテルといったほうがわかりやすいかもしれません。このホテルは北海道拓殖銀行の破綻の影響を受け一度閉められています。このように書くといわゆるプロジェクトX的な話のようですが、この本からはそのような印象をあまり強く私は受けませんでした。それよりもホテルの仕事に対してどのように考えているかという点の方が面白かったです。

 

この本には窪山さんがホテルの関係者から聞いた言葉がいくつか引用されています。

人をおもてなしするのがホテルである。人を止めるのではない。それは百年も前に過ぎた話なのだ。

当たり前のことを疑うのは結構骨の折れることですが、当たり前のことを当たり前としたまま、当たり前を超えていくのはもっと厳しいことかもしれません。

ウィンザーホテル洞爺は千歳空港から電車で70分、駅から車で20分ほどのところにあります。それを受けて

リゾートが飛行場の前にあればいいと思いますか

これは企業の経営者にとってとても重い言葉なのではないでしょうか。利益を上げ、企業を存続させている経営者というのはまだ失敗していない経営者というだけのことなのかもしれません。窪山さんは北海道に対して以下のように書かれています。

しかしどうも「食材の産地」のイメージから脱却できていない。北海道を食材の産地ではなく、「食」そのものの魅力あるものとして「食」で観光客を呼び寄せる起爆剤にする必要がある

また、窪山さんはホテルは終身雇用が重要であるとも書かれています。(年功序列については否定的です)

 

社会に対する企業のあるべき役割と、生み出すサービスの質を向上させるためにあるべき状態、そして存続するために利益を生み出す仕組み、つまり社会と社員と企業がそれぞれWin-Win-Winの状態であり続けるよう努力し、結果を残した経営者が後に語れるべき経営者ということになるのではないでしょうか。


パンプキンシザーズ 第11巻 

Pumpkin Scissors 11 (11) (KCデラックス)
岩永 亮太郎
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パンプキンシザーズの第11巻からの抜書き。

上下の関係である必要はない。互いに真剣であればいい。

公務とはおよそ終わりのない責任を永遠に果たし続けるものだと思う。

自分の人生のために費やされるべき戦う力を人生の外から来る強大な力への対処に割り当てなければならない。それが戦争だ。

人々が裕福だろうが貧困だろうがその結果に対して「戦争だから」と言い訳をしなくなった時、戦災復興任務は完了したのだと思う。

勢いだけで描ける言葉じゃないですね。素晴らしい。


「リスト化」仕事術 

リスト化仕事術 毎日使えて一生役立つ
堀内浩二
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第一部は著者が今までに集めたリストの紹介。読者からすればリファレンスです。
~術というからには第二部が本節でしょう。第二部の構成は

 

  • リストを使ってみよう
  • リストを作ってみよう
  • リスト化の力を鍛えよう
  • リスト化の力を活用しよう

 

となっています。仕事術というタイトルからなるほどと思わせるリストです。

 

私はリストは思考と思考の間、あるいは思考と行動の間にあるタイムラグに対応するためのインターフェースだと考えています。

 

思考から行動へ移すという流れを考えると、通常のHowTo本の場合はある種類の流れ、つまり営業向けの流れ、企画向けの流れなどにおいて効き目のある方法を紹介しています。それに対してこの本は任意の流れにおいてリスト化という視点で切り取っています。その意味では第二部の内容は思考法に近いとも言えます。

 

著者がメタレベルを低く抑えようとしているのは明らかで、そのために流れの中でリスト化へ向かうタイミングという地点という意味では共通しているのですが、そのために自分の理解のためであったり、アウトプットするためであったりと具体性を持たせるが故に散らばり具合がやや大きくなっています。実際に読み手が活用するためには自ら取捨選択を行うべきでしょう。

 

著者も言われている通り、リストを自ら作ることが重要だと私も思います。仕事に限らずプライベートなどにおいてもリストを活用する場面はたくさんあります。「リスト化」術として読むことをオススメします。

16歳の教科書 

ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~
モーニング編集部
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積読分を1冊消化です。(^^;この本は私にとって何かを学ぶというよりも共感する部分が多かった本です。


金田一秀穂先生。

でも、言葉にとって大切なのは、見た目の美しさではありません。なによりも先に「正しさ」なのです。

正直、意外でした。金田一先生はもっと感性に近い部分を重要視されていると勝手に思い込んでいました。私が仕事をしていて難しいと感じることの一つにいかに正しく相手に意思を伝えるかということがあります。何を持って正しいとするかはいろいろあると思います。しかし、国語の教育において美しさよりも正しさをもっと教えて欲しかったという気持ちを今もっているのは確かです。金八先生の授業風景が変わってしまうかもしれませんが。(笑)


鍵本聡先生。

誰かに「数学好きですか?」と聞かれたとき、素直に「イエス」といえない自分がいるんです。数学が面白いですかと聞かれたら、イエスと応えます。

これはかなり私の気持ちに近いです。小学生から中学生くらいのころ、私は応用問題や図形の面積を求めるような問題が好きでした。しかしそれは問題が解いているときに「キタッ!」という瞬間は確かに好きでしたが、答え合わせをして正しかった時には「ホッ」としていました。新しい定理や公式に出くわすたびにワクワクもドキドキもしていなかったことを考えると数学自体は好きではなかったように思えます。仕事も同じかもしれませんね。(^^:


高濱正伸先生。詰める力として、

・論理力 論理的整合性に敏感で、ひとつも破綻のない考え方ができる能力
・要約力 「要するになにをとわれているのか」を理解し、的確に答えられる能力
・精読力 一字一句、詠み落とさない集中力
・意志力 自力でやり遂げたいという強い気持ち

を挙げられています。これってまさにバグを追いかけているときに必要な力ですね。


大西泰斗先生。

だけどね、手がかりを得ることはできるんだよ。それも日常の中で。それが「違和感にこだわれ」ということなんだ。

ここでは違和感を感じる感度が個性である、という視点から話をされています。違和感というのは現在の私個人としてもキーワードになっていて、今よりも効率を上げることを是とするならば、どこに着目するか?そのヒントになるのが違和感だと思っています。


竹内薫先生。コマネチ大学数学科や「99.9%は仮説」などで有名な方です。

僕は本を執筆するとき、まず目次からつくるんですよね。かなり丁寧な目次で、ここは決して手を抜かずにつくっていく。目次とは仮説であり型なんですね。

これはもう、ソフトウェア開発における「設計」そのものです。


この他にもおもしろい言葉があちこちにありました。自分が感じていることを自分では思いつかないような形で表現されることはやはり快感です。


成功本はムチャを言う!? 

成功本はムチャを言う!? (青春新書INTELLIGENCE)
新田 義治
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最初はうさんくさそうな本だと思っていました(笑)。読み始めて軽めの批判本ではないとわかってきてから結構おもしろいと思えてきました。


第一章では個人のタイプを以下の4つに分類しています。


  • 目標達成的傾向 - 行動重視

  • 親和的傾向 - 調和重視

  • 献身的傾向 - 愛情重視

  • 評価的傾向 - 思考重視


この本の分類によれば私は評価的傾向のある人間のようです。漢字で書くと堅くなりますが要するに仕組みを考えることに力を注ぐことをよしとする人間は評価的傾向に分類できるそうです。


第二章では成功本に表れる8つのノウハウについてこれらが成立する前提条件について書かれています。それぞれのノウハウについてその効果を認めた上でそれらが成り立つための前提条件が記述されています。ここで批判ではなく前提条件であることが私の個人的な評価を分けました。


第三章では成功本に見られることの多いキーワードとして目標、好きなこと、継続などについて上記の4つの傾向ごとに成功本に書かれていることをどのように読み替えるとよいかについて書かれています。


アジャイルやファシリテーション、成功本といった類は性善説やポジティブ思考を前提として、そちらの領域に入ってからのことが書かれていることが多いのですが、この本ではまず自分がどのような人間であるかを考えようということから始まっています。私はその点についてとても好感を持ちました。

パラダイムの魔力 

パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法
Joel Arhtur Barker 仁平 和夫
482274020X

サブタイトルとして「成功を約束する想像的未来の発見法」とあります。私の印象としては、今目の前に提出されているものをパラダイムという視点を使って分析することによって効果的に理解しようというものでした。

 

この本ではパラダイムを次のように定義しています。

 

パラダイムとはルールと規範であり(成文化されている必要は無い)、(1)協会を明確にし、(2)成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。

 

この定義からいろいろな論へと展開していきます。私が仕事をしていく上で重要だと思ったのが、

 

あらゆるパラダイムが、新しい問題を発見していく過程で、解決できない問題を浮き彫りにしていく。そして解決できない問題が引き金となって、パラダイムシフトが起きる。

 

と、

 

管理はパラダイムの中で行うもの。パラダイムの間を導くのがリーダー。

 

の2つでした。成功するためにパラダイムの中で効率を上げ、信頼性を上げていく(パラダイムの強化)に必要なのは管理であり、現在のパラダイムで解決できない問題が浮き彫りとなり認知されているタイミングで必要なのがパラダイムシフトであり、それを導くのがリーダーということになります。

 

製品サイクルとして何が求められているかを理解することは、今自分が注力すべき方向を決定するのに根拠を与えます。準備の段階なのか実行の時期なのかあるいは異動、転職の時期なのか。いずれも自分のキャリアにおいて重要なポイントとなります。パラダイムという観点からではわかりにくければ、製品の差別化のフレームワークである、機能、チャネル、ブランドで考えてみるのもよいかもしれません。

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